通常、役員への給与は毎月定額でなければ損金計上できず、また役員への賞与も事前届出しておかなければ損金計上できません。しかし、使用人兼務役員への給与のうち、使用人部分の給与については、毎月定額でなくても損金計上でき、また賞与についても使用人部分の賞与は事前届出なしでも損金計上が可能です。
ではここで、使用人兼務役員というのはどういう定義なのでしょうか?
■使用人兼務役員とは
役員(社長、理事長その他特定の役員を除く。)のうち、部長、課長その他法人の使用人としての職制上の地位を有し、かつ、常時使用人としての職務に従事するものをいいます(法人税法34条5項)
※1 社長、理事長その他特定の役員とは
(1) 代表取締役、代表執行役、代表理事および清算人
(2) 副社長、専務、常務その他これらに準ずる職制上の地位を有する役員
(3) 合名会社、合資会社及び合同会社の業務執行社員
(4) 取締役(委員会設置会社の取締役に限る)、会計参与及び監査役並びに監事
(5) 同族会社の役員のうち一定の株主グループに属している者
※2 部長、課長その他法人の使用人としての職制上の地位を有するものとは
支店長、工場長、営業所長、支配人、主任等法人の機構上定められている使用人たる職務上の地位をいいます。したがって、取締役等で総務担当、経理担当というように使用人としての職制上の地位でなく、法人の特定の部門の職務を統括しているものは、使用人兼務役員には該当しません。
ただし、使用人部分の給与であっても、不相当に高額である場合には、損金算入できませんので、注意が必要です。