会社が役員および従業員の研修費用や資格取得費用を負担した場合には、損金に計上できますが、支給した金額が給与として課税される場合もあるので、注意が必要です。
所得税基本通達9-15によると、「使用者が自己の業務遂行上の必要に基づき、役員又は使用人に当該役員又は使用人としての職務に直接必要な技術若しくは知識を習得させ、又は免許若しくは資格を取得させるための研修会、講習会等の出席費用又は大学等における聴講費用に充てるものとして支給する金品については、これらの費用として適正なものに限り、課税しなくて差し支えない。」とあります。
ここで、給与課税されないためのポイントとなるのは、
①自己の業務遂行上、必要であること
②職務に直接必要な技術若しくは知識を習得させること
③費用として適正なもの
となります。
ただし、大学における修学費用や役員又は使用者である個人の親族のみを対象とする場合などは給与として課税されますので、注意しなければなりません。(所得税基本通達9-16)
さらに、所得税においても所得税基本通達37-24にあるように、業務の遂行に直接必要な研修費用は必要経費に算入することができますが、弁護士が大学院修士課程、博士課程に進学した際の入学料と授業料を事業所得の必要経費に算入したことを否認された判例(国税不服審判所 平成15.10.27裁決)もありますので、こちらも同様に注意が必要です。